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ネイリスト検定1級の3Dアートとは?合格へのアプローチ - 黒崎えり子ネイルスクール(新宿・名古屋・大阪梅田・横浜)
ネイリスト検定1級は、トップレベルのネイリストであることを証明する資格です。イクステンションやリペア、ネイルアートの総合的な技術と知識を修得している証となります。
そのため、トップネイリストとして活躍したいと考えているなら、必ず取得しておきたい資格であるといえるでしょう。
そこで今回は、ネイリスト検定1級の実技試験で出題される3Dアートについて解説します。実技試験でチェックされるポイントや減点・失格対象となる項目についてもご紹介するので、受験を考えている方はぜひご参考にしてください。
ネイリスト検定1級のアートテーマは予測できる
ネイリスト検定1級のアートテーマは毎回変わります。一度出題されたテーマが再度出題されることはほとんどありません。アートのテーマになり得るものは無数にあるため、次回のアートテーマを予測するのはほぼ不可能といえるでしょう。
しかし、アートテーマに選定されるのは、実際にネイルサロンで注文されることが多いアートや季節を感じるアートが多い傾向にあります。過去には「さくらんぼ」や「気球」などが出題されており、2022年秋期のアートテーマは「和菓子」でした。
そのため、テーマが決まるまでは基本の練習を重ねておき、テーマが発表されたらアートの練習に入るのがおすすめです。
もしテーマのあるアートを練習したい場合は、最近流行っているアートやこれまでアートテーマに選ばれたことのない季節感のあるアート、定番のアートをあらかじめ調べて練習するのもよいかもしれません。
ネイリスト検定1級の「3Dアート」はどのようなデザイン?
3Dアートとは、アクリルのミクスチュアで作る立体的なアートのことです。
一般的に、アートというと爪に絵の具やジェルで絵柄などを描いたり、ストーンを配置したりする施術をイメージする方が多いでしょう。
しかし、3Dアートはさまざまな技法を組み合わせてより立体的にアートを施します。平面のアートよりも華やかさがあり、イベントデザインとして好まれる傾向にあるのが特長です。
ネイリスト検定1級では、3Dアートに他の技術を組み合わせた「ミックスメディアアート」が出題されます。ミックスメディアアートとは、3Dアートにフラットアートかエンボスアート、またはこの両方を組み合わせたものです。試験ではどの技術を組み合わせるか、自分で決めて挑むことができます。
ネイリスト検定1級で出題される「3Dアート」に必要な道具
ネイリスト検定1級で出題される3Dアートでは、フラットなジェルネイルやポリッシュネイルとは違い、3Dアート専用の道具が必要になります。そのため、練習を始める前に必要な道具を揃えておきましょう。
ダッペンディッシュ
ダッペンディッシュとは、アクリルリキッドを入れる容器のことです。プラスチック製だと溶けてしまう恐れがあるため、ガラスか陶器のものを用意しましょう。口がある程度広くて安定感のあるサイズがおすすめです。
アクリルパウダー
アクリルパウダーはアクリル樹脂の粉末のことです。アクリルリキッドを混ぜることで、3Dパーツを形成するミクスチャーになります。
アクリルパウダーはクリアタイプや色付きタイプなど種類が豊富なので、最初から色付きパウダーを使っても構いません。また、3Dパーツを形成して固まれば、アクリル絵の具で上から色付けすることもできます。検定のテーマに合わせて選ぶのもよいでしょう。
アクリルリキッド
アクリルリキッドは、アクリルパウダーを溶かして3Dパーツを形成するための液体です。揮発性が高く酸化しやすい液体なので、施術に必要な量をダッペンディッシュに入れて使います。
筆
3Dアート用の筆は、アクリルリキッドとアクリルパウダーを取ってミクスチャーを作ったり、形成した3Dパーツを爪の上に乗せる際に使ったりします。ジェルネイル用やフラットアート用とは別で用意しましょう。その際、ナイロン製の筆だとアクリルリキッドによって溶けてしまう恐れがあるため、セーブル筆やコリンスキー筆を選ぶのがおすすめです。
シリコンマット
シリコンマットはテーブルに敷いて使用します。
アクリルリキッドはテーブル表面のコーティングを溶かしてしまう恐れがあるため、テーブルを保護するためにもシリコンマットは必要です。
さらに、ネイリスト検定では道具の直置きが禁止されているため、シリコンマットを敷くことで直置き防止になるでしょう。
練習の段階からシリコンマットを敷いておくと、本番でも違和感なく施術ができます。
アルミホイル
アルミホイルは3Dパーツの形成に欠かせません。練習を繰り返しながら自分が使いやすい大きさを把握して、試験当日に備えましょう。
ネイリスト検定1級の実技試験でチェックされるポイント
難易度の高いネイリスト検定1級の実技試験をクリアできるかどうかは、仕上がりの美しさにかかっているといっても過言ではありません。なぜなら、ネイリスト検定2級を取得している段階で「工程については問題ない」と判断され、作業工程はチェックされないからです。
時間内で美しく仕上げるためにも、実技試験でチェックされるポイントをあらかじめ把握しておきましょう。
事前審査
ネイリスト検定1級の事前審査は10分間です。
事前審査では、以下の項目がチェックされます。
・モデルの爪の状態 ・テーブルセッティング&消毒管理 ・ミックスメディア用のチップの状態 |
上記3つの項目が不適切な場合は、減点または失格対象となるため注意が必要です。
実技試験
ネイリスト検定1級の実技試験は160分間です。
実技試験では、以下の項目がチェックされます。
・チップの装着状態 ・スタイリング(スクエア・オフ) ・フリーエッジの長さや厚み ・ハイポイントの位置 ・強度と耐久性 ・キューティクルラインのスムーズさ ・Cカーブ(20~30%) ・ 光沢と気泡の有無 ・表面の仕上がり ・イクステンションの仕上がり ・ミックスメディアアートの仕上がり |
それぞれの項目は5点満点で採点され、50点満点中38点以上獲得すれば合格になります。
ネイリスト検定1級 実技試験の減点・失格対象
ネイリスト検定1級の実技試験に合格するためにも、減点・失格対象となる項目を把握しておきましょう。それぞれの項目を把握しておくことで、減点・失格を防ぎより合格へ近づくことができます。
減点対象
ネイリスト検定1級の実技試験で減点対象となる項目は以下の通りです。
・忘れ物をした場合 ・受験票に貼る写真がスナップ写真の場合や加工されていた場合 ・モデルが条件を満たしていない場合 ・品名ラベルに不備があった場合 ・テーブルセッティングに不備があった場合 ・消毒が不適切な場合 ・ネイルニッパーをウェットステリライザーに入れていない場合 ・私語が多い場合やマナーが悪い場合 ・イクステンションとリペアの爪がナチュラルネイルの色と形に合っていない場合 ・手指へダメージを与えた場合 ・仕上げにトップコートを塗っていない場合 ・試験前にカラーリングや装飾がされている場合 ・トレーニングハンド規定の減点対象の場合 ・試験前にイクステンションのサンディングを行っていた場合 ・試験中にイクステンションとチップ&ラップのサンディングを行っていない場合 ・アートに使ったワイヤーをミクスチュアで覆っていない場合 |
失格対象
ネイリスト検定1級の実技試験で失格対象となる項目は以下の通りです。
・遅刻した場合 ・カンニングなどの不正行為を行った場合 ・試験管の指示に従わなかった場合 ・手指への出血を伴う損傷を与えた場合 ・事前審査や実技審査終了後に作品に触れたり手を加えたりした場合 ・タイムオーバーした場合 ・モデルが手助けやアドバイスを行った場合 ・午前と午後のモデルが同じ場合 ・消毒液と用具が入ったウェットステリライザーを用意していない場合 ・ネイルアートの図案を持ち込んだ場合 ・アートにシールやドットペンを使用した場合 ・手指間違いをした場合 ・試験前にアート用チップにカラーリングや装飾した場合 ・ミックスメディアアートにチップスタンドや治具を使用した場合 ・ネイルフォームの固定に文具類を使用した場合 ・イクステンションにホワイトやラメ入り、カラーパウダーを使用した場合 ・カラーチップやクリアチップ、ホワイトチップを使用した場合 ・減点が著しくひどい場合 ・カラーポリッシュを一度しか塗っていない場合 |
ネイリスト検定1級の合格に向けてアート技術を磨くのがおすすめ
ネイリスト検定1級は非常に難易度の高い試験です。
合格するためにはアートテーマをチェックして技術を磨くだけでなく、事前審査や実技試験でどのような項目がチェックされるのかをあらかじめ確認しておくことも重要です。減点・失格項目についても併せて確認しておきましょう。