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ネイリストとして個人事業主になるまでのステップと確定申告について - 黒崎えり子ネイルスクール(新宿・名古屋・大阪梅田・横浜)
自分でネイルサロンを立ち上げる場合、具体的に何をすればよいのかご存じでしょうか?やることを知っておかないと、ネイルサロンの立ち上げがスムーズに進まなくなってしまいます。
そこで今回は、個人事業主になるまでのステップや確定申告についてご紹介します。ネイリストとして個人事業主になりたい方は、ぜひご参考にしてください。
ネイリストとして個人事業主になるまでのステップ
どこかのネイルサロンに勤めるのではなく、自分でネイルサロンを立ち上げる場合は「個人事業主」となります。では、個人事業主になるまでにはどのようなことをすればよいのでしょうか。以下にて具体的にご紹介します。
1.ネイルサロンの開業方法を決める
ネイルサロンの開業方法には、主に「自宅型サロン」と「店舗型サロン」の2つがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。
自宅型サロン
自宅型サロンは、自宅の一部をネイルサロンにする開業方法です。店舗を設ける必要がなく、ネイル道具に施術用の椅子とテーブルがあればネイリストとして活動できるので、最低限の費用で開業できるのが特徴です。ただし、自宅型サロンは生活感が出てしまうため、お客さまに生活区域を見られないようにしたり内装をきれいにしたりと、さまざまな工夫をしなければなりません。
アパートやマンションなどによってはサロンとしての使用を禁止しているところもあるため、不動産会社に確認も必須です。もし断られた場合は、サロンとして利用してもよいアパート・マンションの一室を借りて開業するとよいでしょう。
店舗型サロン
店舗型サロンは、空き店舗やテナントを借りて開業する方法です。お客さまの目に留まりやすい場所で開業できれば、集客しやすくなるのが特徴です。また、店舗やテナントだと安心感を与えることもできるでしょう。ただし、店舗型サロンは店舗取得費用に加えて、内外装工事費用などが必要です。最初に高額な費用がかかるため、予算を立てて資金を準備しておきましょう。
2.開業届を出す
ネイルサロンを開業したら、原則1ヶ月以内に税務署へ開業届を提出する必要があります。開業届は必ずしも提出が必要というわけではありませんが、提出することで「青色申告ができる」「特別控除によって節税ができる」などのメリットが得られます。そのため、罰則がないとはいえ開業届は提出するのがおすすめです。
なお、青色申告の詳細については後述します。
3.ネイルサロン専用の銀行口座を開設する
プライベート専用の口座と分けるためにも、ネイルサロン専用の銀行口座を開設しましょう。それぞれ分けておくことで収支を把握しやすくなり、確定申告がスムーズに行えるようになります。
個人事業主になったら行うことになる「確定申告」とは?
そもそも確定申告とは、1年間の営業結果を税務署へ申告することです。確定申告を行うことで、所得税や住民税などの税額が決定します。
会社員の場合は確定申告の代わりに会社で年末調整を行いますが、個人事業主になったら自分で確定申告を行わなければなりません。万が一、確定申告を忘れてしまうと罰金が課せられるため、必ず行うようにしましょう。ただし、例外として確定申告を行わなくてもよいケースもあるため、まずは以下にて確定申告書の種類を押さえておくことが大切です。また、確定申告の区分も併せて押さえておきましょう。
確定申告の区分
個人事業主としてネイルサロンを開業する際、「青色申告」「白色申告」のどちらかで確定申告を行います。それぞれの特徴をご紹介します。
青色申告
青色申告は、日々の取引状況や売上などを「複式簿記」と呼ばれる経理知識が必要な方法で帳簿付けし、その合計額を確定申告書に記載して申告する制度のことです。帳簿付けに手間がかかりますが、その分所得から55万円(一定要件を満たす場合は65万円)が控除されます。
このほか、青色申告には赤字が発生したら翌年から3年間繰り越せるというメリットもあります。これにより、赤字の翌年以降に納める税金を減らせます。
白色申告
白色申告は、「単式簿記」と呼ばれる方法で帳簿付けをして申告する制度のことです。家計簿のように簡単に帳簿付けができるため、経理知識は必要ありません。税務署に青色申告を提出していない個人事業主は、自動的に白色申告が適用されます。
白色申告には、控除などがないので税制上お得になることはありません。そのため、白色申告はあまり売り上げがなく、手軽に確定申告を済ませたい方におすすめです。
確定申告の前にチェックしておきたいこと
確定申告を行う前に、「経費になるもの・ならないもの」と「書類の保存期間」について押さえておきましょう。
経費になるもの・ならないもの
経費になるもの・ならないものを知っておけば、青色申告で受けられる控除額を有効活用できます。確定申告もスムーズに進められるので、ぜひ覚えておいてください。
経費になるもの
経費として落とせるのは以下の通りです。勘定科目と一緒に押さえておきましょう。
ネイル用品 |
仕入高 |
ジェル、マニキュア、パーツなどのネイル用品。 |
---|---|---|
家具・備品 |
消耗品費/減価償却費(固定資産) |
施術用の椅子やテーブル、棚など。10万円を超える場合は固定資産として「減価償却費」で計上。 |
店舗家賃 |
地代家賃 |
店舗の賃貸料や駐車場代など。自宅型サロンの場合は、事業に充てている分のみ。 |
店舗の電気代・ガス代・水道代 |
水道光熱費 |
自宅型サロンの場合は、事業に充てている分のみ。 |
パソコン代 |
消耗品費/備品(固定資産) |
パソコン代が10万円を超える場合は、固定資産として計上。 |
会計ソフト代 |
消耗品費/通信費 |
インストールタイプは「消耗品費」、クラウドタイプは「通信費」で計上。 |
インターネット代・電話代・はがき代 |
通信費 |
インターネットや電話にかかる費用、顧客に出すはがき代や切手代など。 |
看板代・チラシ代・雑誌掲載費 |
広告宣伝費 |
看板や折込チラシ、雑誌など宣伝にかかる費用。 |
書籍代 |
新聞図書費 |
スキルアップに関する書籍やお客さま用の雑誌の購入費用。 |
日用品費・清掃用品代 |
消耗品費 |
ネイルサロンで使用するトイレットペーパーや石鹸、清掃用品の購入費用。 |
セミナー参加費・資格受験料 |
研修費 |
資格受験料に関しては、一般的に合格したときに計上。 |
自宅型サロンの場合、店舗家賃や電気代・ガス代・水道代などはプライベートの使用分とわけなければなりません。そのため、確定申告を行う際は1ヶ月の家賃や電気代・ガス代・水道代をそのまま記載しないように注意しましょう。
なお、上述に記載している内容は一部です。経費として落としてもよいのか迷った際は、税理士に相談するのがおすすめです。
経費にならないもの
原則として経費で落とせないのは、以下の通りです。
・国民健康保険・国民年金
・医療費・生命保険料・地震保険
・所得税・個人住民税
・生活費
・プライベートで使用したインターネットや携帯電話の通信料
「ネイルサロンの仕事と関係ないものは経費で落とせない」と覚えておきましょう。
書類の保存期間
個人事業主としてネイルサロンを開設した場合、ネイル用品や店舗で使用する日用品などを購入しますが、その際に発行された領収書は捨ててはいけません。また、契約書や請求書なども同様です。これらは所得税法によって保管期間が定められているため、適切に保管しておきましょう。
必要書類の保存期間は、青色申告だと原則7年間、白色申告だと5年間です。確定申告で帳簿付けをする際や提出時に必要になるので、まとめて置いておきましょう。
ネイルサロンを開業して個人事業主を目指すならネイルスクールへ通おう
ネイリストとして個人事業主になる場合は、「開業方法を決める」「開業届を提出する」「ネイルサロン専用の銀行口座を開設する」以外にも、やらなければいけないことがたくさんあります。たとえば、開業方法を決める際はお客さまのターゲット層や、サロンのコンセプトなどを決めなければなりません。そのため、「具体的に何をすればよいのかわからない」という方も少なくないはず。ネイルサロンをスムーズに開業したい方は、ネイルスクールに通うのがおすすめです。
ネイルスクールには、開業コースを設けているところもあります。そのようなスクールに通えばターゲット層やサロンのコンセプトの決め方なども教えてもらえるため、理想のネイルサロンを開業しやすくなります。「自分の店舗を持ちたい」と考えている方は、ネイルスクールへの通学を検討してみてはいかがでしょうか。